伊豆の国市伝統芸能会館
場所 : 静岡県伊豆の国市
時期 : 2013年
用途 : 劇場、観光案内所、地域交流館
依頼主 : 伊豆の国市
サイズ :
延床面積 796 ㎡
建築面積 578 ㎡
敷地面積 4,067 ㎡
タイプ : 設計競技
静岡県伊豆の国市の伝統芸能館のデザイン。
伊豆の国市の伝統芸能である芸子文化を守るために劇場が建築されます。
かつて伊豆長岡温泉には、芸妓文化が生み出す独自の温泉場風情が醸し出されていました。
これはこの地に残る伝統文化と現代、一歩先の未来とを融合させながら、独自の新たな価値や文化を創出していくための重要な施設です。
17° 森へ
訪れた人々が伝統芸能を通して、自然と対話します。
森への窓口、森との親密な対話。
17°の傾きで森に対面するこの劇場は、屋根が開閉し、開いているときは、舞台越しに源氏山の蒼蒼と茂った森が現れ、大自然がホールと一体化されます。
座席は可動式のロールバックチェアを採用し、収納時には大きな多目的空間となり、様々なパフォーマンスやワークショップ等に対応します。
緩やかで大きなスロープを持つ公園
私達はこの場所に緩やかで大きなスロープを持つ公園を作りたいと思います。
森と街の境界を曖昧にし、それぞれつながりを持った公園です。
緩やかで大きなスロープはルーフガーデンとなり、配置されるオープンカフェ・展示スペース・市場・お祭り広場等に使用されます。人々は自然とこの場所へと足を運びます。
伝統と革新に関して
様々な伝統芸能が行われ、そこに人々が集まり、人々が交流し、新しい文化が発生し、それが更なる伝統となるサイクルをこの場につくります。そのサイクルの成熟が私たちの考える革新です。
私たちは、設計者の立場から提案をし、地域の人々や運営者と綿密な対話をし、このサイクルをつくり成し遂げる方法をともに考えます。これが、この場所に最適な建築物をつくるために、必要不可欠であると確信しています。
木と鉄のハイブリッド構造
ルーフガーデンより下階をRC造の壁式構造、それより上部を木と鉄骨のハイブリッド構造とする混構造です。
上部のハイブリッド構造は、鉄骨を芯材とし耐火被覆を兼ねる木との合成柱・合成梁で構成するフレームに、壁や床・屋根としての木質面材を大壁状にカバーした強固なモノコック構造体となります。
鉄骨フレームで鉛直荷重を支持し、木質面材で建物の傾斜から生じる水平分力や、地震、風などの水平力を負担します。